米国株
FOMC ▶ターミナルレートはよりタカ派へ、株価は急落
政策金利(FFレート):4回連続0.75%引き上げで3.75~4.00%へ
12月FOMCは0.50%引き上げで4.25~4.5%が中心見通し
来年のターミナルレートは、さらに上振れする可能性がある
パウエル議長が、来年の利上げ見通しはタカ派を強調
2022年内の金利引き上げは、大方の予想通り。
注目のパウエル議長は、インフレが収まらない場合、そのまま緩やかに来年も金利引き上げを継続する「ターミナルレート引き上げ」のタカ派発言。
これを受けて、金利のピークを織り込んでいた株式市場は急落。
楽観的過ぎる株式市場に、警笛を鳴らす会見となりました。
利上げ観測 ▶来年の中心見通しは5.00~5.25%に上昇
FOMCと雇用統計を受けて、ターミナルレート(金利の最大値)が5.00~5.25%と、一段上の中心見通しに変わりました。
パウエル議長の発言から表向きは
「インフレとの戦いは長期化の様相があり、金利の上昇幅は抑え、より長期間にわたって金利を小幅に上げ続けて、理想の着地点を模索する」
といったシナリオイメージのようです。
しかし裏面では、緩やかに金利を上昇させ続け、5.00~5.50%の間で着地させたいが、それを市場が既定路線と考えると、さらに金利を引き上げなければならないという難しい舵取りを任されています。
雇用統計 ▶明確な雇用悪化は見られず、株価は小幅上昇
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
11月4日(金) | 21:30 | 米10月雇用統計 | 263千人 | 190千人 | 261千人 |
11月4日(金) | 21:30 | 米10月失業率 | 3.5% | 3.6% | 3.7% |
雇用者数は市場予想を大きく上回り、ほぼ前月と同じ261千人増
失業率は市場予想を超え、少しずつ上昇を継続
全体としては景気悪化しているのか市場判断が分かれる微妙な展開に
景気後退シグナルとはならないが、失業率が徐々に上昇しており、不景気の足音が聞こえているのでは?といった印象。
株価は、2日前のFOMCで大きく下落していた為、そのリバウンドと雇用統計の結果で、判断が分かれる微妙な展開に。
銘柄 | 終値 | 騰落率 | 銘柄 | 終値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
米10年債 | 4.163% | +3.66% | ダウ | 32,359 | -1.81% |
DXY | 110.788 | -1.94% | SP500 | 3,770.56 | -3.35% |
ドル円 | 146.651 | -1.09% | NASDAQ | 10,857.03 | -5.97% |
VIX | 24.56 | -2.89% | 金(Gold) | 1,680.915 | +3.15% |
原油 | 93.011 | +5.21% | BTC | 21400.52 | +3.77% |
週間で、株価は下落、DXYも大きく下落しドル安(後述)となりました。
為替 ▶雇用統計を受け、DXYが1日で-1.94%
雇用統計を受けて、DXYが急落。
それに伴い、金(Gold)やBTC、その他のコモディティは上昇。
また、10月の為替介入額6兆3499億円は過去最大と公表。
1ヵ月の合計であり、「いつ」「いくら」実施されたかは明示されず。
米中間選挙 ▶株価に与える影響は少ないか
バイデン政権(民主党)の支持率は40%台前半と低いまま、米中間選挙で国民の審判を受けます。
インフレを中心とした経済不安から現状に不満を持つ層が多く、共和党優勢(ねじれ国会復活)というシナリオが大方の見方。
個人的には現在の世情だと、米中間選挙より金利の方が株価により影響を与えるのではないか?と考えています。
金利のキーマンとなっているパウエル議長は、今年の5月に任期4年で再任されており、今回の選挙結果にすぐに影響を受けることはなさそうです。
いずれにしても僅差が予想されていますので、状況次第で株価にどう影響するのか?注視していきます。
主要株価指数 ▶下落トレンド挑戦前に失速
重要な週でしたが、結果は週足で全指数が陰線。
下落トレンド挑戦前に失速する形に。
特に、現在の米国市場を牽引しそうなダウの失速(金利圧力の軽減推測で勢いよく上げてからのFOMC、雇用統計で失速)が気になります。
下落トレンドラインに、週50MA、週100MAが近隣交差しており、相変わらず上値は重い展開に。
このままCPIまでは様子見相場となりそうですが、基本目線は変更なし。
10/13の底値を割るまでは上目線で、下落トレンドラインを抜ける事が目先の目標。
NASDAQ ▶10月底値を守れるか
FOMC&雇用統計の結果を受けて、週足で大陰線(-5.97%)。
金利は甘い見通しを諫められ、ドル高・コロナ需要の減速を受けてGAFAM決算が壊滅と、逆風しかないNASDAQ。
10月底値に近い位置まで下がっており、来週のCPI次第では、このラインを割り込む可能性も出てきました。
下を試す場合は、心理的節目&コロナ前高値($9,700~$10,000)が次のサポート候補。
週RSIのダイバージェンスは継続していますが、金利見通しに明るい材料がない限りはまだまだ下目線が継続へ。
市場に明るい材料が出ると、景気抑制のため、パウエル議長が諫める事がほぼ決定的です。
そうなると、当面はどのような状況でも上昇相場への転換は難しいと言わざるを得ません。
来年2-3月頃までは底を探りながら、ジリジリと下げていく印象です。
来週の主なイベント・指数発表
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 |
---|---|---|---|---|
11月8日(火) | 米中間選挙 | |||
11月10日(水) | 22:30 | 米CPI(消費者物価指数) | 8.2% | 8.0% |
11月10日(水) | 22:30 | 米CPI(消費者物価指数)コア | 6.6% | 6.6% |
11月5日でサマータイムが終了(数値発表は22:30)。
米中間選挙は、前述のとおり。
米CPIは、引き続きインフレの重要指標として注目。
コア指数は、前回と同じ予想数値になっており、「インフレはまだまだ高止まりしている」と市場は感じているようです。
仮想通貨
仮想通貨は金融の未来
LUNAショックがあった今年の5月に比べれば、随分と明るい仮想通貨ニュースが連日見られるようになってきました。
地合いは悪く、価格に影響を与えられないものも多いですが、次の半減期に向けて、地固めしているようにも見えています。
今や、個人やテック企業のみならず、金融機関や国単位での業界参入がニュースされ、法的な枠組みも議論、制定されるようになりました。
数年後、誰でも利用しやすいUI(ユーザーインターフェース)が確立すれば、爆発的に普及する未来は遠くありません。
その時に、どのコインが覇権をとるのかは当てられませんが、今からこの業界を追い続けることで、10年後の明るい未来を想像しています。
ビットコイン ▶7か月ぶりの日足雲ブレイク!!
先週、2ヵ月ぶりに日足雲に突入したビットコインが、雇用統計の結果を受けて、そのまま勢いよく日50MAと日足雲を大陽線でブレイク。
今年4月の日足雲侵入から、実に7か月ぶりの日足雲ブレイクになります。
そのまま日50MA($20,700)付近でロールリバーサルできると、日足トレンド転換の起点となりそうです。
「週200MA($23,800)でロールリバーサル」の当面目標に変更なし。
3週間前から、NASDAQとのデカップリングが大きくなっており、このまま株式市場は軟調でも、仮想通貨相場は上昇していく可能性も出てきました。
仮想通貨市場はビットコイン次第!!
このまま好調に上昇してくれると、他コインも元気になってきます。
アルトコイン ▶日足雲、日200MAをブレイクが多数!!
グループ | 数 | 占有率 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
日200MAブレイク | 19種 | 20.21% | DOGE、XRP、MATICなど |
日足雲ブレイク | 11種 | 11.70% | BTC、ETHなど |
日足雲内 or 下 | 64種 | 68.09% | SOL、SANDなど |
ビットコインの上昇につられて、多くのコインが大きく上昇しました。
DOGE、XRPに続き、DeFi系コインも早めに上昇しています。
引き続き、ビットコイン次第ですが、軟調な株式市場を横目に、仮想通貨市場が明るい雰囲気になってきました。
また、MATICに提携のビックニュース(ディズニー、スターバックス、インスタグラムなど)が多く、次回の上昇相場で大きなリターンが期待できるコインとしてニュースとチャートを追っています。
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