利上げ停止示唆で注目は金利から実体経済へ 2023-05-06

スポンサーリンク

米経済ニュース

ファーストリパブリックバンクをJPモルガンが買収

FDIC、ファースト・リパ入札で30日までの最終提案要請-関係者
米銀JPモルガン・チェースは公的管理下に置かれた米地銀ファースト・リパブリック・バンクを買収する。米連邦預金保険公社(FDIC)が実施した緊急入札で、JPモルガンが落札した。

安定した買収先で目先の金融不安は回避

先週から3月に続く金融不安として報道されていましたが、今回も米政府の迅速な対応で、注目のFOMC前に目先の金融不安は避けられました。

先月も今回も、対応を一歩間違えると、市場が大混乱する様相を呈していただけに、引き続き市場は米地銀の動向を見守っています。

ISM製造業・非製造業景況感指数

日時時間指標前回市場予想結果
5月1日(月)21:30ISM製造業景況感指数46.346.747.1
5月3日(水)21:30ISM非製造業景況感指数51.251.951.9
日本時間で表記

市場予想通りで依然としてインフレ高止まりへの警戒が続く

米ISM製造業総合景況指数、4月は47.1に上昇-市場予想上回る
米供給管理協会(ISM)が発表した4月の製造業総合景況指数は前月から上昇したものの、6カ月連続で活動縮小を示した。6カ月連続は2009年以来の長さで、製造業の低迷が長引いていることが示唆された。

ISM製造業:市場予想より小幅上昇だが、50は下回っており、株価に大きな影響なし。

ISM非製造業:市場予想通りで、株価に大きな影響はない。但し、インフレの高止まりを懸念する市場心理と一致しており、引き続き警戒が続く。

FOMC

・政策金利25bp利上げで、5.00-5.25%

利上げ打ち止めの可能性を示唆:「追加的な引き締めが適切」の文言が削除

利下げは適切ではない:昨年後半からインフレの鈍化が見られるが、依然として高止まりを警戒

追加利上げの可能性は排除しない:これまで同様に次回会合までのデータを見極める

・銀行セクターは、3月上旬から改善しており、健全である

景気は緩やかに後退していくだろうと予測

サプライズはなく、利上げ停止&利下げ時期を模索が6月以降の既定路線

FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆
米連邦公開市場委員会(FOMC)は5月2、3日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。一方、経済面でのリスクが強まる中、利上げが今回で打ち止めになる可能性も示唆した。

概ね、予想通りの会合となり、株価は小幅下落。

3月FOMC同様に、パウエル議長が「インフレ対策と金融不安の狭間で難しい舵取りを任される」事になりましたが、今回も絶妙なバランスで乗り切ったイメージ

市場は、今回の利上げが最後になるとみており、7月会合から利下げが始まると織り込む。

株価は、今年に入ってから「利上げ停止&今年夏ごろからの利下げ」を既に織り込んでいます。

6月以降は、利下げ時期がいつ示唆され始めるか?に注目が移っていく。

GAFAM決算

日時時間結果備考
5月4日(木)アップル売上高、利益とも前年比減も市場予想を上回る
日本時間で表記

これでGAFAM5社の決算が出揃う。先週の4社に続き、アップルも決算をクリア。

「リセッション懸念」が拡がる中で、「GAFAMが好決算」を連発。

それ以外にも「インフレ圧力」「米地銀の金融不安」と株価の上昇・下落要因が入り乱れ、短期では非常に先行きが読みにくい展開が続きます。

雇用統計

日時時間指標前回市場予想結果
5月5日(金)21:30非農業部門雇用者数236.0千人179.0千人253.0千人
5月5日(金)21:30失業率3.5%3.6%3.4%
5月5日(金)21:30平均時給4.2%4.2%4.4%
日本時間で表記

平均時給が高止まり、ここでもインフレ懸念が続く

米雇用統計、4月の非農業部門雇用者数は25.3万人増-失業率3.4%
米国では4月、雇用者数と賃金の伸びがいずれも加速した。景気が向かい風に直面する中、労働市場の強靱(きょうじん)さと新たなインフレ圧力が示唆された。

全体的に強い雇用となり、「利下げの話は時期早々」とするパウエル議長の言う通りに。

指数として、「サービス部門のインフレ率」を重視しているFRBの姿勢から、現在は「平均時給」がクローズアップされています。

「平均時給が3%程度まで鈍化」してくると、インフレ圧力も弱まってくるとされており、今年は雇用者数より「平均時給」に注目です。

Goodニュース=株安の図式から変化

利上げ停止が示唆されたことで、ここ1年の「Goodニュース=株安」の図式から変化していく。

「実体経済の状況」と「利下げ開始時期をどの程度織り込むか?」で短期の先行きが読みにくい状況に。

米地銀株が急反発

パックウェスト株88%高、米地銀株が急反発-売られ過ぎとの見方で
5日の米株式市場で、パックウェスト・バンコープを中心に地銀株が急反発した。今週の極端な売り浴びせの一部は過剰だったとの見方が広がっている。

3月に続く金融不安も売られすぎ観点から急反発

他にも倒産する米地銀があるのでは?と売りを仕掛ける動きが多かった1週間でしたが、

「ファーストリパブリックバンクをJPモルガンが買収した事」

「FOMCで3月より金融セクターは健全であると発表された事」

などを要因に売られすぎと判断され、急反発しています。

依然として「噂がSNSで拡散され株価に大きな影響を与えるリスク」が消えたわけではないですが、「噂が何でも事実として拡がるような環境から脱出」してきています。

来週の主な指数発表

日時時間指標前回市場予想
5月10日(水)21:30CPI5.0%5.0%
5月10日(水)21:30コアCPI5.6%5.3%
5月11日(木)21:30PPI2.7%2.3%
5月11日(木)21:30コアPPI3.4%3.2%
日本時間で表記

今週は、依然としてインフレ高止まりを示唆する指数が多く発表されました。

来週のCPI、PPIでもインフレ圧力を市場がどう見ていくのか?に注目です。

米国株

銘柄終値騰落率銘柄終値騰落率
米10年債3.441%+0.38%ダウ33,661-1.28%
DXY101.282-0.38%SP5004,136.26-0.80%
ドル円134.822-1.07%NASDAQ13,259.13+0.10%
VIX17.19+8.94%金(Gold)2,016.790+1.37%
原油71.338-6.93%BTC29,505.60+0.93%
5月5日終値の週間騰落率

米主要株価指数

利上げ効果が表れるまで待つ相場に

  • 株価のプラス要因
    1. GAFAMが好調決算で、NASDAQを牽引。
    2. 金融セクターが急反発したことでSP500も上昇。3月から疑心暗鬼だった金融不安も改善傾向に。
  • 株価のマイナス要因
    1. 雇用統計・CPIを筆頭に、各指数はまだまだインフレ圧力を感じる結果が多数
    2. 米経済のリセッション入りを市場は既に確実視(いつ頃から?またその期間は?)

上記の内容が入り乱れ、短期では株価が読みにくい状況。

しかし、利上げ停止が示唆されたことで、「どこまで利上げが進むのか?」から「利上げ効果がいつ現れてくるのか?」と市場が各指数と向き合うように。

利上げ停止時期も概ね去年の予定通りであり、短期下落があっても昨年10月が直近の底値になるだろうという印象に変更なし。

長期目線に変更なし

これまで同様、それぞれが重要ラインに向かってレンジ形成中。

1週間かけて小幅下落してきた4指数とも、5/5にそれぞれ2%前後の上昇で全戻し。

引き続き、「ダウ:直近高値」「SP500:週足雲上抜け」「NASDAQ:ネックライン上抜け」を目指し、現在は上昇トレンドが継続中です。

ここから株価が大きく崩れるイメージはありませんが、「夏枯れ相場」で利下げ時期が示唆される10月頃まで軟調な可能性あり。

長期目線に変更ないが、短期では乱高下が続きそうな気配があり、要注意。

仮想通貨

米国株と仮想通貨の相関係数

NASDAQとBTCに高い相関が2年継続中

米国株は、上昇トレンド継続中も「利下げ開始時期が示唆され始めるまで下落傾向」が既定路線

仮想通貨は、米地銀の金融不安でむしろ価格上昇しており、上昇トレンドを継続。

長期で見ると、NASDAQとBTCはとても高い相関があり、最終的には相関していく可能性が高い。

インフレ圧力の状況にもよりますが、ここから秋ごろまで、米国株と仮想通貨が短期的に逆相関していくのか?に注目。

仮想通貨が調子よく上昇していったとしても、米国株が軟調だと、ちょっとしたBadニュースで崩れる傾向があります。仮想通貨のみならず、米国株市場全体で相場観を確認していきます。

ビットコイン

月足は4か月連続陽線で確定

4月も陽線で確定し、1月から4か月連続陽線に

出来高の急激な鈍化が気になりますが、月足RSIもまだ50をキープで節目の$30,000を超えていければ、5月も大陽線が期待できそう。

引き続き30,000-チャレンジで、長期目線に変更なし

3月後半に$30,000が意識され始めてから1ヶ月半が経過。

日足も安値切り上げで三角持ち合いを形成しており、そろそろ力強く$30,000を上抜けしてほしいところ。

どちらにふれても図の通りで、目線継続中。

アルトコイン

グループ占有率主な銘柄
ATH(史上最高値)1種0.76%OKB
週足雲ブレイク2種1.53%AGIX、OG
週足雲に突入25種19.08%BTC、ETH、MATICなど
日200MAブレイク32種24.43%AVAX、SOLなど
日足雲ブレイク2種1.53%NEXO、CHZ
日足雲内 or 下69種52.67%NEAR、XYMなど
ひろパパが毎日見ているアルトコイン全131種から参照

BTCと同じくレンジ推移が多数

PEPE(後述)以外は、BTC同様、動きの少ないレンジ形成の1週間に。

先週同様、日200MAより上で推移するコインが増えてセンチメントが改善していく事を見守っています。

ETHが単独上げする場面もありましたが、BTC主導相場の印象にも変化なし

ミームコイン「PEPE」が2週間で600倍の爆上げ

https://jp.cointelegraph.com/news/pepecoin-attracts-retail-investors-big-holders-remain-to-be-a-risk

ミームコインとして4月17日にローンチされたPEPEコインが勢いそのままに爆上げして、多くのDEXに上場。

ついには、Binanceへの上場も果たし、2週間で600倍に値上がりし、大きな話題に。

5月5日現在ではAPEコインも超えて、時価総額ランキング39位まで上昇。

仮想通貨の地合いが良くないと、こんな話題も出てこないので、仮想通貨業界全体が好調になる前兆として期待しています。

ちなみに、同時にBinance上場がきまったFlokiも前日比60%以上の上昇に。

コメント

タイトルとURLをコピーしました