米国株
パウエル議長の「ハト派」講演
・12月FOMCは50bp利上げになる可能性を示唆
・利下げの開始時期を考えるには早すぎる
・全体として「ハト派」の印象
11月30日(水)、市場は「タカ派」を予想していましたが、発言は「ハト派」の印象が強く、株価は急反発。
各指数も重要ラインを大陽線で上抜け、上髭のない強い陽線で月足を確定させています。
米雇用統計
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
12月2日(金) | 22:30 | 米11月非農業部門雇用者数 | 261千人 | 202千人 | 263.0千人 |
12月2日(金) | 22:30 | 米11月失業率 | 3.7% | 3.7% | 3.7% |
12月2日(金) | 22:30 | 米11月平均時給 | 4.7%増 | 4.6%増 | 5.1%増 |
時給増に注目が集まる強い結果も市場は下がらず
市場予想より大幅に強く、前月を上回る結果に。
また、インフレに直結する平均時給に注目が集まっていましたが、こちらも5.1%増と大幅上昇。
しかし、市場は長い下髭を伸ばして、前日比とほぼ同じ価格で終了。
以前のように、景気好調だと株価が下がるというサイクルに終わりが見え始めています。
米実質GDP
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
11月30日(水) | 22:30 | 米実質GDP | 2.6% | 2.8% | 2.9% |
市場に大きな影響なし
他指数からインフレが収まる兆候は見ているものの実際の景気はいまだ強い印象。
市場予想より少し強い結果になっていますが、市場の考えに近い数字で株価へは影響なし。
PCEコアデフレータ
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
12月1日(水) | 22:30 | PCEデフレータ | 6.2% | 6.0% | 6.0% |
12月1日(水) | 22:30 | PCEコアデフレータ | 5.1% | 5.0% | 5.0% |
市場予想通り、市場に影響は見られず
市場予想通りで株価に大きな影響なし。
前月比も小幅鈍化しており、前日(11月30日)のパウエル議長の「ハト派」発言を否定する結果にはならず、市場は良い雰囲気のまま推移。
ISM製造業景気指数
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
12月2日(水) | — | ISM製造業景気指数 | 50.2 | 49.7 | 49.0 |
コロナショック以来、2年ぶりの50割れ
50を起点に製造業の景気感を測る指数。
2020年6月に50を超えて以来、2年半ぶりに50を割れてきました。
製造業の新規発注は減少傾向にあり、この指数からは景気悪化の足音が聞こえています。
金利見通し
各指標は入り乱れるも、金利見通しに大きな変化なし
パウエル議長の「ハト派」発言から始まり、ISM景況感からも不景気の足音が聞こえたと思ったら、雇用統計は逆に強い結果に。
今後を占う激動の一週間でしたが、金利見通しに大きな数値変化は見られませんでした。
12月は50bp利上げとして、それ以降、ターミナルレートを模索していくイメージです。
リセッションの前兆と言われる10年債との逆イールドは、日を追うごとに深くなっています。
いずれにしても、インフレのピークは9月(10月発表の各数値)として、米経済はリセッションに向かっている道中だと市場は捉えているようです。
為替とドルインデックス
DXYが大きく低下、日200MAを下回る
DXYもドル円もバブル頂点のような形状から日200MA付近まで下落しています。
日200MAあたりでもみ合うかどうかですが、中期ではドル高は一服し、リスクオンムードになっていきそうです。
株価、仮想通貨には追い風となる指標ですので、引き続き見ていきます。
中国のゼロコロナ抗議
デモで中国の生産ラインに打撃か
先週、懸念した通り、中国の不安定さが米国経済に打撃を与え始めています。
「世界の工場」と呼ばれて久しい中国は、Appleを中心に米国からも多くの製品が発注されており、生産ラインが止まることで世界経済が停滞することは2020年(コロナ過)に実証されています。
「モノ不足」は今回のインフレの要因の一つとなっており、中国がコロナとどう共存していくのか?が2023年の米経済にも影響を与えていきます。
米主要株価指数
銘柄 | 終値 | 騰落率 | 銘柄 | 終値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
米10年債 | 3.488% | -5.50% | ダウ | 34,345 | -0.01% |
DXY | 104.506 | -1.47% | SP500 | 4071.71 | +1.13% |
ドル円 | 134.310 | -3.48% | NASDAQ | 11,994.26 | +0.68% |
VIX | 19.06 | -7.02% | 金(Gold) | 1797.750 | +2.09% |
原油 | 80.681 | +4.75% | BTC | 17,092.74 | +4.04% |
ダウに続き、SP500も1年続く下落トレンドラインにチャレンジ
指数の発表が数多くあり、情報が飛び交う一週間でしたが、1週間の結果として上目線継続となっています。
先週同様、ダウはWボトムを上抜けできるか?
他3指数(SP500、NASDAQ、Russel2000)は、2021年11月から続く下落トレンドを上抜けできるか?に注目。
今の市場センチメントだと、全指数もみ合いながら上抜けできそうに見えますので、引き続き見守っていきます。
来週の主な指数発表
日時 | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 |
---|---|---|---|---|
12月6日(火) | — | ISM非製造業景気指数 | 54.4 | 53.4 |
先週発表された製造業は50を割ってきましたが、非製造業は引き続き強い数字が出てくると予想されています。
仮想通貨
FTX騒動に関する報道
BlockFiが破産申請
FTX破綻の余波で、米レンディングサービスBlockFiがチャプター11を申請。
発表当日もBTCは小幅下落のみで、大きな値崩れはありませんでした。
連鎖倒産は既に織り込み済みなのか?売られすぎで底堅い動きなのか?
暗いニュースでも値崩れするような事がなくなってきています。
SBF氏が公の場で騒動後初めてのインタビューに応じる
その発言に注目が集まっていましたが、爆弾発言はなく、市場への影響もほぼありませんでした。
3週間が経過し、騒動も収束に向かっている印象はあります。
しかし、仮想通貨業界は、セリングクライマックスをまだ迎えていませんので、安易な期待は抱かないように注意しましょう。
Binanceがさくらエクスチェンジを買収して日本進出へ
仮想通貨業界が日本に注目する?
FTX破綻後、FTXジャパンは十分な顧客の預かり資産を保有しており、2023年1月には顧客資産の出金を再開する報道が出ています。
相次ぐ経営破綻で、厳格な規制が叫ばれている中、日本の取引所に課せられている厳しいルールが注目を集める可能性がありそうです。
日本の仮想通貨税制改革とともに、日本が仮想通貨業界で注目を浴びるような日が来るかもしれません。
XYMとMONAが独歩高
さくらエクスチェンジに上場しているけどBinanceには上場していない2銘柄(XYM、MONA)が、Binanceに上場されるのでは?との期待から独歩高。
こんな上場の仕方もあるのか?とSNSでも話題になっています。
FLRが来年1月に配布開始へ
2020年XRPのスナップショットで話題になったFLRがついに配布されることになりました。
海外の主要取引所は、対応を表明しており、日本の各取引所は許可の申請中。
XRPは、今でもランキングTOP10を守っており、日本国内の人気も高いので、引き続き注視します。
ビットコイン
11月終値は、$17,600を超えられず下で決着($17,165)。
週足で強気ダイバージェンスの兆候あり
DXYが大きく下落して、リスク資産にとって追い風に。
日足で、6月安値($17,600)付近に雲とMAが収束しつつあります。
日200MA($21,450)も垂れてきて、週200MA($24,000)より目先の目標になりました。
また、週足で強気ダイバージェンスの兆候があり、上を向く指標となりそうです。
日足雲が薄い来週は上抜けできるか
まずは各MAの収束と日足雲が重なっている$18,000~$19,000を雲が薄い来週、上抜けできるか?に注目です。
抜けられると、一気に上値が軽くなりますが、失敗すると$17,600を上限にレンジ継続となりそうです。
下落する場合は次のサポートを$13,000として、$10,000~$8,000までは既に視野に入っています。
アルトコイン
グループ | 数 | 占有率 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
ATH(史上最高値) | 1種 | 1.03% | TWT |
日200MAブレイク | 5種 | 5.15% | LTC、SFP、DYDXなど |
日足雲ブレイク | 0種 | 0.00% | |
日足雲内 or 下 | 91種 | 93.82% | BTC、ETHなど |
11月底値から安値切り上げコインは多数
11月のFTXショックを底値として、安値を切り上げ続けているコインが多数あります。
ハードウェアウォレットトークンのTWTは先行上昇しましたが、現在は一服しており、各取引所にもコインが再流入しつつあります。
しかし、単独上げした各コイン(DOGE、XYM、MONAなど)も、まだ日足雲を突破する基準までも戻っておらず、アルト市場に勢いは感じられません。
先週同様「BTCの上昇待ち」の状態で、引き続き、先行指標になりえる期待コインが出てこないか継続してみていきます。
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