市場は「ハト派」強い雇用でも下ヒゲ決着 2022-12-03

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米国株

パウエル議長の「ハト派」講演

12月FOMCは50bp利上げになる可能性を示唆

利下げの開始時期を考えるには早すぎる

・全体として「ハト派」の印象

11月30日(水)、市場は「タカ派」を予想していましたが、発言は「ハト派」の印象が強く、株価は急反発。

各指数も重要ラインを大陽線で上抜け、上髭のない強い陽線で月足を確定させています。

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の発言要旨
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日、ワシントンのシンクタンク、ブルッキングス研究所で講演した。

米雇用統計

日時時間指標前回市場予想結果
12月2日(金)22:30米11月非農業部門雇用者数261千人202千人263.0千人
12月2日(金)22:30米11月失業率3.7%3.7%3.7%
12月2日(金)22:30米11月平均時給4.7%増4.6%増5.1%増
日本時間で表記

時給増に注目が集まる強い結果も市場は下がらず

市場予想より大幅に強く、前月を上回る結果に。

また、インフレに直結する平均時給に注目が集まっていましたが、こちらも5.1%増と大幅上昇

しかし、市場は長い下髭を伸ばして、前日比とほぼ同じ価格で終了。

以前のように、景気好調だと株価が下がるというサイクルに終わりが見え始めています。

米実質GDP

日時時間指標前回市場予想結果
11月30日(水)22:30米実質GDP2.6%2.8%2.9%
日本時間で表記

市場に大きな影響なし

他指数からインフレが収まる兆候は見ているものの実際の景気はいまだ強い印象

市場予想より少し強い結果になっていますが、市場の考えに近い数字で株価へは影響なし。

PCEコアデフレータ

日時時間指標前回市場予想結果
12月1日(水)22:30PCEデフレータ6.2%6.0%6.0%
12月1日(水)22:30PCEコアデフレータ5.1%5.0%5.0%
日本時間で表記

市場予想通り、市場に影響は見られず

FRBの利上げ休止を後押しか、CPIとPCE価格指数の差が縮小へ
2種の主要な米インフレ指標の間に見られる異例に大きな差が今後数カ月に縮小するとみられ、米金融当局としては2023年早期に利上げを休止するための余地が拡大しそうだ。

市場予想通りで株価に大きな影響なし。

前月比も小幅鈍化しており、前日(11月30日)のパウエル議長の「ハト派」発言を否定する結果にはならず、市場は良い雰囲気のまま推移

ISM製造業景気指数

日時時間指標前回市場予想結果
12月2日(水)ISM製造業景気指数50.249.749.0
日本時間で表記

コロナショック以来、2年ぶりの50割れ

米ISM製造業総合景況指数が50割れ、2020年5月以来の活動縮小
11月の米製造業活動は2020年5月以来で初めて縮小したことが、米供給管理協会(ISM)の統計で示された。受注の指数は3カ月連続で低下し、生産が弱含んだ。

50を起点に製造業の景気感を測る指数。

2020年6月に50を超えて以来、2年半ぶりに50を割れてきました。

製造業の新規発注は減少傾向にあり、この指数からは景気悪化の足音が聞こえています。

金利見通し

FedWatchToolより 12月FOMC 利上げ見通し
FedWatchToolより 年間利上げ見通し

各指標は入り乱れるも、金利見通しに大きな変化なし

パウエル議長の「ハト派」発言から始まり、ISM景況感からも不景気の足音が聞こえたと思ったら、雇用統計は逆に強い結果に。

今後を占う激動の一週間でしたが、金利見通しに大きな数値変化は見られませんでした。

12月は50bp利上げとして、それ以降、ターミナルレートを模索していくイメージです。

米国債金利 10年、2年、3ヵ月比較チャート

リセッションの前兆と言われる10年債との逆イールドは、日を追うごとに深くなっています。

いずれにしても、インフレのピークは9月(10月発表の各数値)として、米経済はリセッションに向かっている道中だと市場は捉えているようです。

為替とドルインデックス

DXY、USDJPY、EUROUSD 日足チャート

DXYが大きく低下、日200MAを下回る

DXYもドル円もバブル頂点のような形状から日200MA付近まで下落しています。

日200MAあたりでもみ合うかどうかですが、中期ではドル高は一服し、リスクオンムードになっていきそうです。

株価、仮想通貨には追い風となる指標ですので、引き続き見ていきます。

中国のゼロコロナ抗議

中国、コロナ対策について日本時間午後4時に会見-国家衛生健康委
中国の国家衛生健康委員会と国家疾病予防管理局、中国疾病予防管理センターの代表者が29日午後3時(日本時間同4時)、新型コロナウイルス予防・管理の措置の実施について記者会見を開く。国家衛生健康委が発表資料で明らかにした。

デモで中国の生産ラインに打撃か

先週、懸念した通り、中国の不安定さが米国経済に打撃を与え始めています。

「世界の工場」と呼ばれて久しい中国は、Appleを中心に米国からも多くの製品が発注されており、生産ラインが止まることで世界経済が停滞することは2020年(コロナ過)に実証されています。

「モノ不足」は今回のインフレの要因の一つとなっており、中国がコロナとどう共存していくのか?が2023年の米経済にも影響を与えていきます。

米主要株価指数

銘柄終値騰落率銘柄終値騰落率
米10年債3.488%-5.50%ダウ34,345-0.01%
DXY104.506-1.47%SP5004071.71+1.13%
ドル円134.310-3.48%NASDAQ11,994.26+0.68%
VIX19.06-7.02%金(Gold)1797.750+2.09%
原油80.681+4.75%BTC17,092.74+4.04%
12月2日(金)の終値と週間騰落率 (BTCは12/2終値での割合)

ダウに続き、SP500も1年続く下落トレンドラインにチャレンジ

米主要株価指数 週足チャート

指数の発表が数多くあり、情報が飛び交う一週間でしたが、1週間の結果として上目線継続となっています。

先週同様、ダウはWボトムを上抜けできるか?

他3指数(SP500、NASDAQ、Russel2000)は、2021年11月から続く下落トレンドを上抜けできるか?に注目。

今の市場センチメントだと、全指数もみ合いながら上抜けできそうに見えますので、引き続き見守っていきます。

来週の主な指数発表

日時時間指標前回市場予想
12月6日(火)ISM非製造業景気指数54.453.4
日本時間で表記

先週発表された製造業は50を割ってきましたが、非製造業は引き続き強い数字が出てくると予想されています。

仮想通貨

FTX騒動に関する報道

BlockFiが破産申請

米仮想通貨融資企業BlockFiが破産申請 SECやFTXらが債権者に
仮想通貨貸借サービス企業BlockFiは、米破産法11条にもとづいた破産申請を行った。破産申請の書類から、債権者などの詳細が明らかになっている。

FTX破綻の余波で、米レンディングサービスBlockFiがチャプター11を申請。

発表当日もBTCは小幅下落のみで、大きな値崩れはありませんでした。

連鎖倒産は既に織り込み済みなのか?売られすぎで底堅い動きなのか?

暗いニュースでも値崩れするような事がなくなってきています。

SBF氏が公の場で騒動後初めてのインタビューに応じる

FTX前CEO、破産申請や暗号資産ハッキング事件について受け答えに応じる
大手仮想通貨取引所FTXの前CEOサム・バンクマン=フリード氏がインタビューに応じ、ハッキング被害による不正流出被害やバハマ当局への対応、FTXシステムの「バックドア」疑惑などについて語った。

その発言に注目が集まっていましたが、爆弾発言はなく、市場への影響もほぼありませんでした。

3週間が経過し、騒動も収束に向かっている印象はあります。

しかし、仮想通貨業界は、セリングクライマックスをまだ迎えていませんので、安易な期待は抱かないように注意しましょう。

Binanceがさくらエクスチェンジを買収して日本進出へ

世界最大の仮想通貨取引所バイナンスが日本進出へ、サクラエクスチェンジを買収
世界最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスが日本進出を発表した。サクラエクスチェンジの全株式譲渡を受け、完全小会社化する。

仮想通貨業界が日本に注目する?

FTXジャパンが顧客資産を出金可能にする計画案-早ければ1月にも
経営破綻した暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの日本法人、FTXジャパンが顧客資産の出金を可能にする計画案を作成していることが分かった。

FTX破綻後、FTXジャパンは十分な顧客の預かり資産を保有しており、2023年1月には顧客資産の出金を再開する報道が出ています。

相次ぐ経営破綻で、厳格な規制が叫ばれている中、日本の取引所に課せられている厳しいルールが注目を集める可能性がありそうです。

日本の仮想通貨税制改革とともに、日本が仮想通貨業界で注目を浴びるような日が来るかもしれません。

岸田政権、Web3スタートアップ育成の環境整備に向けたロードマップ示す
岸田政権による「スタートアップ育成5か年計画」の内容が決定した。ブロックチェーン技術とWeb3の税制を含む環境整備が含まれている。

XYMとMONAが独歩高

さくらエクスチェンジに上場しているけどBinanceには上場していない2銘柄(XYM、MONA)が、Binanceに上場されるのでは?との期待から独歩高。

こんな上場の仕方もあるのか?とSNSでも話題になっています。

FLRが来年1月に配布開始へ

仮想通貨フレア(FLR)、来年1月以降に配布開始 対応取引所など発表
20年12月12日時点の仮想通貨XRPの保有者に対して配布予定の「フレア:旧スパーク(FLR)」について、トークン付与(エアドロップ)の実施予定日と対応取引所リストが発表された。

2020年XRPのスナップショットで話題になったFLRがついに配布されることになりました。

海外の主要取引所は、対応を表明しており、日本の各取引所は許可の申請中。

XRPは、今でもランキングTOP10を守っており、日本国内の人気も高いので、引き続き注視します。

ビットコイン

BTC/USDT 日足、週足、月足チャート

11月終値は、$17,600を超えられず下で決着($17,165)。

週足で強気ダイバージェンスの兆候あり

DXYが大きく下落して、リスク資産にとって追い風に。

日足で、6月安値($17,600)付近に雲とMAが収束しつつあります。

日200MA($21,450)も垂れてきて、週200MA($24,000)より目先の目標になりました。

また、週足で強気ダイバージェンスの兆候があり、上を向く指標となりそうです。

日足雲が薄い来週は上抜けできるか

まずは各MAの収束と日足雲が重なっている$18,000~$19,000を雲が薄い来週、上抜けできるか?に注目です。

抜けられると、一気に上値が軽くなりますが、失敗すると$17,600を上限にレンジ継続となりそうです。

下落する場合は次のサポートを$13,000として、$10,000~$8,000までは既に視野に入っています。

アルトコイン

グループ占有率主な銘柄
ATH(史上最高値)1種1.03%TWT
日200MAブレイク5種5.15%LTC、SFP、DYDXなど
日足雲ブレイク0種0.00%
日足雲内 or 下91種93.82%BTCETHなど
ひろパパが毎日見ているアルトコイン全97種から参照

11月底値から安値切り上げコインは多数

11月のFTXショックを底値として、安値を切り上げ続けているコインが多数あります。

ハードウェアウォレットトークンのTWTは先行上昇しましたが、現在は一服しており、各取引所にもコインが再流入しつつあります。

しかし、単独上げした各コイン(DOGE、XYM、MONAなど)も、まだ日足雲を突破する基準までも戻っておらず、アルト市場に勢いは感じられません。

先週同様「BTCの上昇待ち」の状態で、引き続き、先行指標になりえる期待コインが出てこないか継続してみていきます。

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