米経済ニュース
ファーストリパブリックバンクをJPモルガンが買収
安定した買収先で目先の金融不安は回避
先週から3月に続く金融不安として報道されていましたが、今回も米政府の迅速な対応で、注目のFOMC前に目先の金融不安は避けられました。
先月も今回も、対応を一歩間違えると、市場が大混乱する様相を呈していただけに、引き続き市場は米地銀の動向を見守っています。
ISM製造業・非製造業景況感指数
日時 | 時間 | 国 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
5月1日(月) | 21:30 | 米 | ISM製造業景況感指数 | 46.3 | 46.7 | 47.1 |
5月3日(水) | 21:30 | 米 | ISM非製造業景況感指数 | 51.2 | 51.9 | 51.9 |
市場予想通りで依然としてインフレ高止まりへの警戒が続く
ISM製造業:市場予想より小幅上昇だが、50は下回っており、株価に大きな影響なし。
ISM非製造業:市場予想通りで、株価に大きな影響はない。但し、インフレの高止まりを懸念する市場心理と一致しており、引き続き警戒が続く。
FOMC
・政策金利25bp利上げで、5.00-5.25%に
・利上げ打ち止めの可能性を示唆:「追加的な引き締めが適切」の文言が削除
・利下げは適切ではない:昨年後半からインフレの鈍化が見られるが、依然として高止まりを警戒
・追加利上げの可能性は排除しない:これまで同様に次回会合までのデータを見極める
・銀行セクターは、3月上旬から改善しており、健全である
・景気は緩やかに後退していくだろうと予測
サプライズはなく、利上げ停止&利下げ時期を模索が6月以降の既定路線
概ね、予想通りの会合となり、株価は小幅下落。
3月FOMC同様に、パウエル議長が「インフレ対策と金融不安の狭間で難しい舵取りを任される」事になりましたが、今回も絶妙なバランスで乗り切ったイメージ。
市場は、今回の利上げが最後になるとみており、7月会合から利下げが始まると織り込む。
株価は、今年に入ってから「利上げ停止&今年夏ごろからの利下げ」を既に織り込んでいます。
6月以降は、利下げ時期がいつ示唆され始めるか?に注目が移っていく。
GAFAM決算
日時 | 時間 | 結果 | 備考 |
---|---|---|---|
5月4日(木) | アップル | 〇 | 売上高、利益とも前年比減も市場予想を上回る |
これでGAFAM5社の決算が出揃う。先週の4社に続き、アップルも決算をクリア。
「リセッション懸念」が拡がる中で、「GAFAMが好決算」を連発。
それ以外にも「インフレ圧力」「米地銀の金融不安」と株価の上昇・下落要因が入り乱れ、短期では非常に先行きが読みにくい展開が続きます。
雇用統計
日時 | 時間 | 国 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
5月5日(金) | 21:30 | 米 | 非農業部門雇用者数 | 236.0千人 | 179.0千人 | 253.0千人 |
5月5日(金) | 21:30 | 米 | 失業率 | 3.5% | 3.6% | 3.4% |
5月5日(金) | 21:30 | 米 | 平均時給 | 4.2% | 4.2% | 4.4% |
平均時給が高止まり、ここでもインフレ懸念が続く
全体的に強い雇用となり、「利下げの話は時期早々」とするパウエル議長の言う通りに。
指数として、「サービス部門のインフレ率」を重視しているFRBの姿勢から、現在は「平均時給」がクローズアップされています。
「平均時給が3%程度まで鈍化」してくると、インフレ圧力も弱まってくるとされており、今年は雇用者数より「平均時給」に注目です。
Goodニュース=株安の図式から変化
利上げ停止が示唆されたことで、ここ1年の「Goodニュース=株安」の図式から変化していく。
「実体経済の状況」と「利下げ開始時期をどの程度織り込むか?」で短期の先行きが読みにくい状況に。
米地銀株が急反発
3月に続く金融不安も売られすぎ観点から急反発
他にも倒産する米地銀があるのでは?と売りを仕掛ける動きが多かった1週間でしたが、
「ファーストリパブリックバンクをJPモルガンが買収した事」
「FOMCで3月より金融セクターは健全であると発表された事」
などを要因に売られすぎと判断され、急反発しています。
依然として「噂がSNSで拡散され株価に大きな影響を与えるリスク」が消えたわけではないですが、「噂が何でも事実として拡がるような環境から脱出」してきています。
来週の主な指数発表
日時 | 時間 | 国 | 指標 | 前回 | 市場予想 |
---|---|---|---|---|---|
5月10日(水) | 21:30 | 米 | CPI | 5.0% | 5.0% |
5月10日(水) | 21:30 | 米 | コアCPI | 5.6% | 5.3% |
5月11日(木) | 21:30 | 米 | PPI | 2.7% | 2.3% |
5月11日(木) | 21:30 | 米 | コアPPI | 3.4% | 3.2% |
今週は、依然としてインフレ高止まりを示唆する指数が多く発表されました。
来週のCPI、PPIでもインフレ圧力を市場がどう見ていくのか?に注目です。
米国株
銘柄 | 終値 | 騰落率 | 銘柄 | 終値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
米10年債 | 3.441% | +0.38% | ダウ | 33,661 | -1.28% |
DXY | 101.282 | -0.38% | SP500 | 4,136.26 | -0.80% |
ドル円 | 134.822 | -1.07% | NASDAQ | 13,259.13 | +0.10% |
VIX | 17.19 | +8.94% | 金(Gold) | 2,016.790 | +1.37% |
原油 | 71.338 | -6.93% | BTC | 29,505.60 | +0.93% |
米主要株価指数
利上げ効果が表れるまで待つ相場に
- 株価のプラス要因
- GAFAMが好調決算で、NASDAQを牽引。
- 金融セクターが急反発したことでSP500も上昇。3月から疑心暗鬼だった金融不安も改善傾向に。
- 株価のマイナス要因
- 雇用統計・CPIを筆頭に、各指数はまだまだインフレ圧力を感じる結果が多数。
- 米経済のリセッション入りを市場は既に確実視(いつ頃から?またその期間は?)
上記の内容が入り乱れ、短期では株価が読みにくい状況。
しかし、利上げ停止が示唆されたことで、「どこまで利上げが進むのか?」から「利上げ効果がいつ現れてくるのか?」と市場が各指数と向き合うように。
利上げ停止時期も概ね去年の予定通りであり、短期下落があっても昨年10月が直近の底値になるだろうという印象に変更なし。
長期目線に変更なし
これまで同様、それぞれが重要ラインに向かってレンジ形成中。
1週間かけて小幅下落してきた4指数とも、5/5にそれぞれ2%前後の上昇で全戻し。
引き続き、「ダウ:直近高値」「SP500:週足雲上抜け」「NASDAQ:ネックライン上抜け」を目指し、現在は上昇トレンドが継続中です。
ここから株価が大きく崩れるイメージはありませんが、「夏枯れ相場」で利下げ時期が示唆される10月頃まで軟調な可能性あり。
長期目線に変更ないが、短期では乱高下が続きそうな気配があり、要注意。
仮想通貨
米国株と仮想通貨の相関係数
NASDAQとBTCに高い相関が2年継続中
米国株は、上昇トレンド継続中も「利下げ開始時期が示唆され始めるまで下落傾向」が既定路線。
仮想通貨は、米地銀の金融不安でむしろ価格上昇しており、上昇トレンドを継続。
長期で見ると、NASDAQとBTCはとても高い相関があり、最終的には相関していく可能性が高い。
インフレ圧力の状況にもよりますが、ここから秋ごろまで、米国株と仮想通貨が短期的に逆相関していくのか?に注目。
仮想通貨が調子よく上昇していったとしても、米国株が軟調だと、ちょっとしたBadニュースで崩れる傾向があります。仮想通貨のみならず、米国株市場全体で相場観を確認していきます。
ビットコイン
月足は4か月連続陽線で確定
4月も陽線で確定し、1月から4か月連続陽線に。
出来高の急激な鈍化が気になりますが、月足RSIもまだ50をキープで節目の$30,000を超えていければ、5月も大陽線が期待できそう。
引き続き30,000-チャレンジで、長期目線に変更なし
3月後半に$30,000が意識され始めてから1ヶ月半が経過。
日足も安値切り上げで三角持ち合いを形成しており、そろそろ力強く$30,000を上抜けしてほしいところ。
どちらにふれても図の通りで、目線継続中。
アルトコイン
グループ | 数 | 占有率 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
ATH(史上最高値) | 1種 | 0.76% | OKB |
週足雲ブレイク | 2種 | 1.53% | AGIX、OG |
週足雲に突入 | 25種 | 19.08% | BTC、ETH、MATICなど |
日200MAブレイク | 32種 | 24.43% | AVAX、SOLなど |
日足雲ブレイク | 2種 | 1.53% | NEXO、CHZ |
日足雲内 or 下 | 69種 | 52.67% | NEAR、XYMなど |
BTCと同じくレンジ推移が多数
PEPE(後述)以外は、BTC同様、動きの少ないレンジ形成の1週間に。
先週同様、日200MAより上で推移するコインが増えてセンチメントが改善していく事を見守っています。
ETHが単独上げする場面もありましたが、BTC主導相場の印象にも変化なし。
ミームコイン「PEPE」が2週間で600倍の爆上げ
ミームコインとして4月17日にローンチされたPEPEコインが勢いそのままに爆上げして、多くのDEXに上場。
ついには、Binanceへの上場も果たし、2週間で600倍に値上がりし、大きな話題に。
5月5日現在ではAPEコインも超えて、時価総額ランキング39位まで上昇。
仮想通貨の地合いが良くないと、こんな話題も出てこないので、仮想通貨業界全体が好調になる前兆として期待しています。
ちなみに、同時にBinance上場がきまったFlokiも前日比60%以上の上昇に。
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