米経済
パウエル議長の議会証言
・今後の指数次第で、3月FOMCで50bp利上げも否定しない
3月FOMCでの50bp利上げを市場は70%織り込む
2月の強い米経済指数を受けて、パルエル議長が、鈍化させた利上げの再加速に言及。
市場は、一時50bp利上げを70%支持することに。
雇用統計
日時 | 時間 | 国 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
3月10日(金) | 22:30 | 米 | 非農業部門雇用者数 | 504.0千人 | 223.0千人 | 311.0千人 |
3月10日(金) | 22:30 | 米 | 失業率 | 3.4% | 3.4% | 3.6% |
3月10日(金) | 22:30 | 米 | 平均時給 | 4.4% | 4.7% | 4.6% |
予想を上回るも、更なる利上げを加速するほどではない
「強い雇用」を示す結果に。
但し、前日のパウエル議長の議会証言を受けて、既に50bp利上げを織り込んでおり、市場予想は上回るものの株価への影響はほぼなし。
また、「この数値だけで50bp利上げの論拠にはならない」というのが大勢の見方。
米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻
破綻までの推移(リーマンショック以降で最大)
米スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)への融資知られるSVB。
四半期決算発表を見て状況が危ういとみる人が急増し、3月9日に株価急落、前日比-60%で終える。
その後、時間外で更に20%下落。
その体質から金利上昇に弱い面がよりクローズアップされ、今後も金利の高止まりが予想される中、直近の立て直しは厳しいとの見方が大勢。
資金繰り悪化に伴う預金流出懸念が拡がり、翌10日に経営破綻。米当局の管理下に。
2008年のリーマンショックに代表される世界金融危機(2007-2010年)以来で最大の銀行破綻に。
週明けにもう一段の下落リスク
リーマンショックをきっかけに金融システムは改善されており、「大きな混乱はない」との見方が多いものの、これをきっかけに、金融危機が本格化する意見もあり。
個人的には、まだ下げそうだが、昨年のような世界中の不景気のトリガーになるとは考えにくい。
いずれにしても、NASDAQを中心としたテック系企業や小型株の今後には大きく関わりますので、特に週明けの報道には注目。
米国債金利
SVB報道を受けて、金利は急落
米国金利の10年と2年が1日に5%以上の大幅下落。
3月FFレート予想も25bp利上げが65%へ。
来週の主な指数発表
日時 | 時間 | 国 | 指標 | 前回 | 市場予想 |
---|---|---|---|---|---|
3月14日(火) | 21:30 | 米 | 消費者物価指数(CPI) | 6.4% | 6.0% |
3月14日(火) | 21:30 | 米 | 消費者物価指数(CPI)コア | 5.6% | 5.5% |
3月15日(火) | 21:30 | 米 | 小売売上高 | 3.0% | 0.2% |
3月15日(火) | 21:30 | 米 | 小売売上高コア | 2.3% | -0.1% |
3月15日(火) | 21:30 | 米 | 生産者物価指数(PPI) | 6.0% | 5.4% |
3月15日(火) | 21:30 | 米 | 生産者物価指数(PPI)コア | 5.4% | 5.1% |
3月22日に控えたFOMCに向けて、最後のCPIが最注目。
但し、SVB経営破綻に関する週明けの値動きにもよるため、そちらの報道も注視。
2023年3月12日(日)にサマータイムに移行します
3月第2日曜日にサマータイムに移行します。
それ以降、指数発表の日本時間がかわりますので、ご注意を。
米国株
銘柄 | 終値 | 騰落率 | 銘柄 | 終値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
米10年債 | 3.703% | -6.40% | ダウ | 32,001 | -4.18% |
DXY | 104.637 | +0.11% | SP500 | 3,861.60 | -4.55% |
ドル円 | 135.061 | -0.55% | NASDAQ | 11,830.28 | -3.75% |
VIX | 24.80 | +34.13% | 金(Gold) | 1,867.035 | +0.63% |
原油 | 76.596 | -3.98% | BTC | 20,150.69 | -10.16% |
米主要株価指数
各指数で大陰線も長期下落トレンドに裏タッチ
パウエル議長の議会証言、強い雇用統計、SVB経営破綻と下落要因が大量だった一週間。
各指数で大陰線となりましたが、2021年から続く長期下落トレンドには戻らず。
もう一段下落してもおかしくないですが、週200MAより上で推移できればこれまでの見方に影響なし。
週200MAを割り込んでくる場合は、週足雲と週200MAを抵抗に上値が重く、上昇のタイミングが半年以上は遅れそう。
その場合は、一番上値が軽いダウがまた先導役に。
仮想通貨
米NY当局がKucoinを提訴
米NY当局がイーサリアムは証券と主張
本報道のみならず、「仮想通貨は証券なのか?」に未だ一つも決着がつかず、年に何度もあちらこちらで同様の報道がでてきます。
どこでも一定の下落要因にはなっていますので、規制を進めている最中はこんなものかと考えていますが、継続した報道確認は必要です。
米バイデン政権で仮想通貨の課税変更案
米で進む仮想通貨規制
日本では仮想通貨の税制改正で間口を広げる動きがありますが、アメリカでは課税対象や規制の動きが主流です。
米国の課税・規制基準は、仮想通貨の価格に大きく影響しますので、こちらも追っていきます。
また、今後日本が同様の法案を踏襲する可能性もある事は視野に入れておく。
USDCのサークル社が準備金をSVBに預けていたと判明
USDCを中心にステーブルコインのペッグが外れかかっている
ビットコイン
複数下落要因も週で-10%程度
パウエル議長の議会証言→規制や訴訟報道→SVB経営破綻と毎日のように下落要因が報道される一週間に。
それでも週足10%程度の限定的な下落に。
未だ日足200MAに支えられており、もう一度上を目指せるかは週明けのSVB余波とCPI次第に。
週足では目線影響なし
SVB経営破綻は、NASDAQ銘柄と連鎖する可能性がある為、週明け報道は要注目ですが、現在では週足で戦略変更するほどの影響なし。
むしろ、米国10年債金利が大きく下落していることから、米国株と仮想通貨の反転(上昇)は近いと想定。
アルトコイン
グループ | 数 | 占有率 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
ATH(史上最高値) | 4種 | 3.20% | OP、OKB、BGBなど |
週足雲ブレイク | 1種 | 0.80% | AGIX |
週足雲に突入 | 10種 | 8.00% | MATIC、FETなど |
日200MAブレイク | 25種 | 20.00% | BTC、ETHなど |
日足雲ブレイク | 0種 | 0.00% | |
日足雲内 or 下 | 85種 | 68.00% | XRP、SOL、NEARなど |
半数以上のアルトコインが日200MAを守れず、仕切り直し
一連の下落で、アルトコインも大きく下落。
68%のコインが日200MAを守れずに、仕切り直しへ。
日足雲の上抜けから再チャレンジとなりました。(2023年1月上旬と同水準)
クリプト恐怖指数を表すCrypto Fear&Greed Indexも2ヵ月ぶりに50を割り込み、こちらも2023年1月上旬と同じ水準まで下げる。
ビットコイン同様、長期金利の動向に注目して、また上昇のタイミングを伺っていきます。
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