米国株はCPIで急騰、仮想通貨はFTXショック!! 2022-11-12

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米国株

CPI ▶インフレピークアウトの兆候で株価上昇へ

コア・総合ともに市場予想を下回る(予想からの振れ幅は6月以降で最大)

総合は、6月の9.1%を頂点に4か月連続の伸び率鈍化

米国株式市場が待ち望んだインフレピークアウトの兆候になりえる数値

日時時間指標前回市場予想結果
11月10日(水)22:30米CPI(消費者物価指数)8.2%8.0%7.7%
11月10日(水)22:30米CPI(消費者物価指数)コア6.6%6.6%6.3%
日本時間で表記

予想を超える伸び率の鈍化で、40年ぶりと言われたインフレにやっとピークアウトの兆候が数値として現れました。

米国株式市場が待ち望んでいた展開に、米国株・金(Gold)は急騰、金利・DXY・ドル円は急落。

その振れ幅もコロナショック直後に次ぐ数値に(後述)。

銘柄終値騰落率銘柄終値騰落率
米10年債3.850%-7.52%ダウ33,746+4.29%
DXY106.416-3.95%SP5003,992.92+5.90%
ドル円138.751-5.39%NASDAQ11,817.01+9.44%
VIX22.52-4.29%金(Gold)1,771.295+5.38%
原油89.130-4.17%BTC17,060.58-18.39%
11月11日の終値と週間騰落率

但し、「インフレがピークアウトした」訳ではなく、「その兆候が数字に現れた」程度です。

市場が過度に楽観的になると、またパウエル議長に戒められることになりますので、ご注意を。

金利見通し ▶次回FOMCは50bpが優勢

FedWatchより 12月FOMCの金利見通し

FedWatchツールでも、12月FOMCは50bp利上げが83.0%と大幅に上昇

FedWatchより ターミナルレートの見通し

ターミナルレート(来年の最大金利)も一段下がり、4.75-5.00%が大方の見方に。

12月FOMCまでに他の指数でもインフレピークアウトの兆候が感じ取れれば、大幅な金利の上昇はここまでとして、次のステージ(緩やかに金利を上げていく)に移行していくようです。

米国債利回り▶US10Yが急落、US03Mと明確な逆イールドに

米国債10年利回り(US10Y)と2年債、3ヵ月債との金利差

*US02Yは2年利回り、US03Mは3ヵ月利回りのこと。

US10Y(米国債10年利回り)もCPIの結果を受けて急落。

US03Mとの逆イールドが深くなりました。

「US10YとUS03Mの逆イールドが発生すると、そこが株価の底値付近」と言われています。

今回も同様の現象となるのか?(現時点では当たりそうにみえる)

為替 ▶ドル円はバブル頂点のチャートがより鮮明に

DXY・ドル円・ユーロドル 日足チャート

DXY・ドル円が急落し、ユーロドルもパリティを一気にブレイク。

CPI発表前は、146円だったドル円は同日終値で140円まで6円の下落。

為替介入があったとされる日(9/22:-1.22%、10/21:-1.65%)よりも大きい記録的な円高(-3.72%/1日)に。

インフレピークアウトの兆候が見られたことで、ドル高の構造となっていた通貨の金利差に目途がつきそうです。

今後は、中期でドル高が落ち着いていくと市場は見ています。

ドル円 週足チャート

週足で発生していた弱気ダイバージェンスがあたりとなり、天井をつけてからの急落。

典型的なバブル頂点のチャートとなりました。

そのまま週足で並行チャネルを実体で下抜けしており、週足雲付近まで段階的に調整に向かいそうです

主要株価指数 ▶ダウが下落トレンドを実体でブレイク!!

米国主要株価指数 週足チャート

CPIの結果を受けて急騰。

他の指数に先行して、ついにダウが2021年11月から続いた下落トレンドを実体でブレイク

Wボトムを形成する($35,000をブレイク)とさらに上を目指せる。

GAFAMに勢いがないNASDAQも、CPIの勢いで底を試す前に大陽線へ

全指数とも、先週同様に底値を守っている限りは、下落トレンドラインのブレイクを目指して上目線に変更なし

まだ警戒せねばなりませんが、市場から明らかな相場の転換気配を感じます。

NASDAQ ▶底を試す前に+7.49%の急上昇!!

NASDAQ 週足チャート

6月の底を試しそうな気配がありましたが、CPIを受けて大陽線に。続く11月11日(金)も続伸し、上目線への転換を感じさせる展開へ

NASDAQに勢いが戻るというより、ダウがけん引している相場に連れ高している印象

基本的な目線に変更はなし

当面は、下落トレンドのブレイクが目先の目標であり、10月13日の底値を守るうちは上目線。

米国株市場のセンチメントは明るくなったように感じますが、下落トレンドがブレイクできずにもう一度下を向く可能性も視野に入れておきます。

米中間選挙 ▶開票作業が続く、決着はまだつかず

共和党優勢と見られていましたが、開票してみると予想通りにはいかず。

トランプ氏への抵抗が強く、共和党が票を伸ばしきれずに決着がついていません。

現時点で結論付かないほど接戦になっている時点で、民主党の事実上の勝利だと報道する場面も。

やはり、CPIで大きな株価の動きがあったように、現在は「選挙より金利」が株価に影響を与えています。

【米中間選挙】 なぜこんなに時間がかかっているのか 両院とも勝敗決まらず - BBCニュース
米中間選挙の投票日から2日が過ぎたが、10日夜(日本時間11日朝)の時点で連邦上下両院とも、与野党のどちらが掌握するのか明確になっていない。いまどんな情勢なのか。なぜこれほど時間がかかっているのか。

2020年の大統領選挙の時も同様ですが、日本の選挙と違って、その日のうちに当落の結果が確定しません。

選挙方法の違いによるもの(郵便投票・場合によって再集計を行うケースも)ですが、今回のように1週間以上かかることは珍しい事ではありません。

米国株に投資する上で覚えおきましょう。

来週の主な指数発表

日時時間指標前回市場予想
11月16日(水)22:30小売売上高(前月比)0.0%0.1%
11月16日(水)22:30小売売上高(前月比)コア0.1%0.6%
日本時間で表記

CPIで見えたインフレピークアウトの兆しは本物なのか?

こちらも確認しておきましょう。

仮想通貨

FTXショック ▶FTXはチャプター11を申請

FTXの親会社アルメダ(代表は両社ともサム氏)のバランスシートがリークされたことに端を発し、テラショック以上の衝撃が走っています。

仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ
仮想通貨市場全体に多大な影響を及ぼしたアラメダ・リサーチの財務懸念をめぐるFTXの独自トークンFTTの暴落と取り付け騒ぎ。時系列順に主な出来事をまとめた。

FTXが破綻か?と報道後、11月12日時点では

  • FTXの資産は顧客のデポジットを上回り、FTXの破綻はないと主張
  • 他の取引所が「自社に影響はない」と続々表明
  • サムCEOがアラメダを閉鎖
  • FTXがチャプター11を申請、SBF氏はCEOを辞任

と、騒動の結論をつけたがっているように見えますが、もう少しの間、様子を見ないと「悪材料出尽くし」とは考えられません。

teraショックで学びました!!

チャプター11」は日本の民事再生法に類似し、サービスは継続される可能性が高く、破産ではない。

また、「申請」は書類の提出報道であり、確定ではありません

FTX、破産法適用を申請 対象はFTX Japan含む130社超
仮想通貨取引所FTXは、米チャプターイレブンにもとづいた破産申請を行ったことを発表。対象はFTX Japanを含む130社超に上る。

あまりにわかりやすくまとまったTwitter。

ニュースでは「破産申請」の文字が踊りますが、正しく認識しましょう。

SEC委員長がFTX騒動に苦言

SECのゲンスラー委員長は「投資家保護の観点から、仮想通貨業界で起こるこのような事をずっと危惧していた」と主張

米SEC委員長、FTX騒動について発言 投資家保護の必要性を強調
米SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨取引所FTXの流動性危機について発言。投資家保護の必要性を訴えた。

XRP裁判の横やりとなるのか、FTX騒動の余波がSECの主張を肯定することになるかもしれません。

また、今回のFTX騒動に政治的な思惑が見え隠れする報道も出てきました(確定的な報道はまだありません)。

その場合、余波は仮想通貨市場のみならず、米中間選挙や政治活動に広がる可能性があります。

そのインパクトは計り知れない為、この騒動は着地どころが、未だ全容が把握できていないという認識が良さそうです。

日本の仮想通貨税制改革 ▶分離課税20%を提言

現在は「雑所得」となる日本の仮想通貨税金事情

株式と同じように20%分離課税となれば、超追い風です。

それ一つでは通しにくい提案も、WEB3やNFT、DAOのスタートアップ支援などと一緒に提言してくれています。

自民党Web3PTが仮想通貨税制で緊急提言『税率20%の申告分離課税対象』など目指す
自民党デジタル社会推進本部Web3PTは、暗号資産(仮想通貨)やNFTに関する税制改正に向けた緊急提言。暗号資産同士の交換非課税や20%の税率による申告分離課税の対象にする案、自社発行の保有トークンを期末時価評価の対象外へする案を掲げた。

度々、話題に上がりますが、いまだ国会で話が進んだことはありません。

今回はどうでしょうか?もちろん、国内で仮想通貨を所有する身として、提案に賛成派です!!

ビットコイン ▶FTXショックで大混乱

BTC/USDT 日足・週足・月足チャート

先週、7か月ぶりの日足雲ブレイクで、米国市場より一足先に上昇の兆しが見えたビットコインでしたが、FTXショックで大きく下落

しかし、CPIを受けて、大きく下に抜けそうだった相場を大陽線で耐え、週足の確定を待っています

今週の週足確定は非常に重要であり、6月安値($17,600)を実体で守れると週足では調整の範囲で、目線に変更なし$17,600をサポートに週200MAのロールリバーサルを目指す)。

しかし、6月安値を実体で下抜けると、これから一時上昇を迎えそうな米国株についていけない事も想定され、ずるずると次の半減期まで低空飛行を続けることも視野に。

その場合は、$12,000を中間点として$8,000付近まで下落しても不思議はありません。

(インフレピークアウトの上昇相場) VS (FTX騒動による下落相場)

どちらにトレンドが向いていくのか下に$8,000まで指値を入れて、見届けます。

Bitcoin Rainbow Chart ▶BTCは「バーゲンセール」なのか!?

本サイトのイメージにも採用しているBitcoinRainbowChartがついに「青:FireSale!」を割り込んできました

歴史上はじめてのことであり、長期では二度とこない買い場である可能性が高いです。

しかし、大きく下抜けした場合は、「BitcoinRainbowChart」という理論事態が崩壊する可能性もありますので、ご注意を。

アルトコイン ▶FTXショックから反発できたのはBNB、MATIC、CHZ

グループ占有率主な銘柄
日200MAブレイク7種7.44%BNB、CHZ、MATICなど
日足雲ブレイク0種0.00%
日足雲内 or 下87種92.56%BTCETHなど
ひろパパが毎日見ているアルトコイン全94種から参照

ビットコイン同様、先週の明るかった市場センチメントは、FTXショックで一変

ほとんどのコインが日足雲をした下抜けして、また仕切り直しとなりました。

CPIの結果を受けて、大きく戻せたコインは、BNB、MATIC、CHZ

BNB、MATIC、CHZ 週足チャート

この3種のみが、まだ日200MAを守っており、6月からの上昇トレンドを崩していません。

この3種類とビットコインの動向を見守っていきますが、FTX騒動がどうなっていくのか?もう少し様子を見ないとアルト市場は危険すぎて、今から手を出すことはできません。

Coin360 習慣騰落率

引き続き、今は「ビットコイン」と「金利」に注目して、DXYや米国株、アルトとの相関性を確認していきます。

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