米国株
CPIでインフレ鈍化は始まっていない印象に
次回FOMC利上げ観測は4回連続の75bpが98.6%
為替介入の145円を突破し、32年ぶりの円安水準へ
株価は乱高下、米主要指数が週200MA付近でもみ合い中
CPI ▶インフレ鈍化は始まっていない印象に
日にち | 時間 | 指標 | 前回 | 市場予想 | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
10月13日(木) | 21:30 | 米CPI(消費者物価指数) | 8.3% | 8.1% | 8.2% |
10月13日(木) | 21:30 | 米CPI(消費者物価指数)コア | 6.3% | 6.5% | 6.6% |
CPIは6月をピークに小幅鈍化していますが、コアは今年の最高値を付けて、まだインフレ鈍化は始まっていない印象に。
銘柄 | 終値 | 騰落率 | 銘柄 | 終値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
米10年債 | 3.946% | +1.28% | ダウ | 30,065 | +2.69% |
DXY | 112.453 | -0.71% | SP500 | 3,669.89 | +2.60% |
ドル円 | 147.208 | +0.21% | NASDAQ | 11,033.58 | +2.30% |
VIX | 31.93 | -4.91% | 原油 | 89.321 | +2.41% |
リスクオフムードで株価も大幅安が予見されましたが、同日午後から急反発。
乱高下の末、各指数は終値で大陽線となりました。
利上げ観測 ▶4回連続0.75%利上げへ、5回連続予想も66.6%に上昇
CPIの結果を受けて、11月FOMCの利上げ観測は「75bp」が98.6%となりました。
また、12月FOMCでも0.75%とする声が66.6%まで急上昇。
この1か月で数値発表の度に、予測値は上がり続けています。
2023年の利上げ観測は「475-500bpを維持」が大方の見方になっていますが、これも今後の数値次第でまだ上振れしていく事も予想されます。
「年内中に米インフレピークアウトの予兆が見られるか」が、市場最大の注目となっています。
ドル円 ▶為替介入ラインを突破し、32年ぶりの円安水準に
前回の為替介入ライン145円が意識されていましたが、ロールリバーサルした後は急上昇。
ドル円の週足で弱気ダイバージェンスは続いていますが、金利差による円安構造が変わらない限り、円安は継続されていく目線です。
次回の為替介入をチラつかせ、円安のスピードが鈍化している間に米国の利上げ見通しがつくと、市場も落ち着きそうです。
ここでもやはり米国金利が最注目という事になります。
また、CPI後にドル円が乱高下した時に2回目の為替介入があったか?と噂されていました。
翌日もその実施有無を明言せず、日銀が少ない資金で効果的に抑制したい思惑が見て取れます。
主要株価指数 ▶週200MAでもみ合い、反発できるか
どの指数も、CPIで乱高下の末に最終日には反落し、やはり下目線が継続しています。
「下がりすぎた相場が一時的にショートスクイーズで反発するも金利上昇圧力で株価は下落基調」というストーリーが一般的な見立てとなっています。
ショートスクィーズとは
市場参加者のポジションが大きくショート(売り)に傾いているとき、反発基調が強まり売りポジション保有者の利益確定注文、損切り注文が次々とヒットし、短時間で相場が急反発すること。
買われている訳ではなく売り注文の解消であるため、トレンド転換として見られる傾向もあります。
ONDA JAPAN 用語解説より一部引用
先週の見方通り、やはりCPIを受けて週200MAより下で週足を確定(SP500のみ週200MAをサポートに上で推移)しています。
日足テクニカルでは「CPI当日の大陽線を起点に週200MAで推移」となれば上昇トレンドに転換できそうですが、ファンダでは「金利上昇圧力による長期下落トレンド」となっています。
引き続き、金利とVIXに注目して、下目線は継続となります。
各指数が週200MAの上で推移できるようになると、少しずつ上目線が持てるようになってきます。
NASDAQ ▶週足の強気ダイバージェンスは継続中
上記指数と同じ目線ですが、週足の強気ダイバージェンスが継続中です。
こちらもまずは週200MA($11,200)より上で推移できるようになる事がトレンド転換への第一目標となります。
逆に、週200MAが抵抗(レジスタンス)になる場合は、$10,000割れが視野に入ります。
下目線は継続して、トレンドを確認していくようにします。
来週の主な指数発表
来週は、特にありません。
11月FOMC(11月2~3日)のブラックアウト期間直前となります。
関係者の発言は、情報収集していきましょう。
仮想通貨
仮想通貨業界の好ファンダも価格に影響を与えず
ビットコインは、6月安値を守り、底堅い印象に
アルトコインは、CPIの乱高下で年初来安値を切り下げるコインも多い
Googleがクラウドで仮想通貨決済を導入へ
仮想通貨業界にはビックニュースでも、価格にはその影響がありません。
それでも、次回の半減期(2024年)に向けて、どれだけ伸びしろがあるのか業界の好ファンダを確認していくようにします。
ビットコイン ▶6月安値で5回目のサポート、底堅い印象に
CPIの発表前から下落を始めるも、6月安値を守り、長い下髭で日足を終えています。
6月から何度も直近安値($17,600)を試しに行っていますが下に割れず、底堅い印象になってきました。
レンジ相場($18,000~$25,000)は、これで6月から4ヶ月継続されています。
上を目指したいところですが、日足雲、各MA、週200MAを全て背負い、上値が重い展開になっています。
一般的に、このような上にも下にも行けない(方向感がみえない)ケースでは、以下のパターンが多い。
- BB(ボリンジャーバンド)が収束して、どちらかに大きく弾ける
- 勢いよく各MAを超えていく
- 重要指標でロールリバーサル
- トレンド転換を目視できる
- レンジ期間に応じて爆発力も大きくなる傾向がある
- その前のレンジ期間が長いほど、エネルギーが溜まる
- 上にも下にも同様の可能性がありますので、ポジションには注意
ビットコインは、下目線が継続で、当面の目標は「週200MAでロールリバーサル」に今週も変更なし。
まだまだレンジ相場が続きそうなイメージとなっています。
万が一、レンジを下抜けする場合は、大きく下振れ($13,000~$15,000)する可能性があり、底堅い=価格上昇には繋がりませんので、要注意!!
アルトコイン ▶CPI前後で安値切り下げが多数、勢いは感じられず
グループ | 数 | 占有率 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
日200MAブレイク | 4種 | 4.30% | XRP、REEF、HTなど |
日足雲ブレイク | 2種 | 2.15% | CAKE、SUSHI |
日足雲内 or 下 | 87種 | 93.55% | BTC、ETHなど |
CPI前後の乱高下で、ビットコインは底堅い値動きを見せましたが、多くのアルトコインは6月安値をさらに下抜けています。
CHZが急落してHTは急上昇と先導役の入れ替えがありましたが、アルト市場に勢いは感じられず。
やはり、今はビットコインとイーサリアムを少しずつ長期で買い集めるのが吉と判断しています。
7~8月の「アルトコインが先行して上げていく相場」にビットコインがついて行けず、多くのアルトコインが反落しています。
こうなってくると、アルト先導型より、ビットコインが先に上昇してアルトコインを引っ張ってくれないと市場全体の上昇は難しいかもしれません。
暗号資産の時価総額を見ても、週200MAより下で推移しています。
これまで同様、金利とVIXに注目して、ビットコインの値動きを踏まえてから、それぞれのコインを判断していくようにします。
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